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土木遺産
波切の石積構造物群

2022年土木学会により選奨土木遺産に認定されました。

大王崎は石工の町としても知られ、町のそこかしこに石垣が見られます。波切の石積み構造物群は、当地の石工たちが整備した漁港や集落の石積みであり、大王崎を含む波切のまちの発展を支えた貴重な土木遺産として、認定されました。

竣工年:1860(安政7)年頃~1930(昭和5)年頃

令和4年度選奨土木遺産

​波切の石積とは?

波切の石積の歴史

大王崎のある志摩市大王町波切地区は、起伏区の多い土地と、岩盤が多く石の入手がしやすい土地でもありました。標高20~50mの丘陵地帯で、低地の平坦地が少なく水田より畑でサツマイモを栽培することが多かったといいます。サツマイモが生産されるようになった江戸中期から畑の増加とともに人口も増加していきました。サツマイモは夏策であり、夏に降水量が多いため、土砂や費用のの流出を防ぐ必要がありました。そのため恒久的な石積みにより、耕地の階段化が進み、坂道が整備されていきました。そして人口の増加に伴い家の基礎が築かれ、潮風から家を守る石垣塀が築かれていきました。波切の町の風景は、石工だけでなく、半玄人といわれる人たちによって、長い年月をかけて作られました。

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波切漁港の築港

波切漁港の修築工事は、大正8年12月に着工し、延べ22万人の労働力を投入して11年の歳月をかけ昭和3年に完成した。

工事には、石工とともみ多くの地元の人々が関わりました。当時、一人の石工には4,5人の手伝いが必要でしたので、手伝いながら石積みの技術を覚えた人も多かったと思います。『大王町史』には、この修築工事が「温存されていた技術を十分に発揮するととに多くの弟子を養成し、「波切の石工」と言わしめた原動力となった」と期されて言います。

参考:「波切の石工ー志摩半島の石工のまち」印南敏秀、「大王町史」

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​石積群の見所スポット

​石積構造物群は町中に点在していますので、以下のマップを参考に町歩きを楽しんでください。⛏のマークをクリックすると説明分が見られます。土木遺産「波切の石積構造物群の詳しい情報を知りたい方は以下をクリックしてください。

石積群の今後

石積の多くは、生活のインフラとして個人の住居農地の基礎として存在しています。長い年月の間それらに手を加えることなく放置し続けると安全性を保てなくなります。また、大王崎周辺地区は観光地としても多くのかたが訪れる場所でもありますので、景観保護の観点からも石積を保全する仕組みづくりが必要です。

石積の保全・保存のための取り組みの1つとして石積み学校という取り組みがあります。(一社)じゃまテラスメンバーは、2022年秋に岐阜県中津川市付知町にて、石積み学校に参加しました。岐阜大学出村准教授の指導の下、実地体験をし、石積みの構造や現在の石積みを保全する取り組みについて学びました。地域の宝・魅力を知り・活かすことが我々の使命だと思います。そのために、石積学校のような取り組みを通じて、さらなる磨き上げのための活動を継続していく必要があります。

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